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製品・技術情報

海洋および沖合アプリケーションの産業用イーサネット技術

大型船舶、洋上風力発電、沖合石油掘削プラットフォームなどの
アプリケーション近代化に必要不可欠

  • 2010.10.26
  • 船内通信
  • 沖合風力発電
  • 沖合石油掘削
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近年、海洋アプリケーションの多くがイーサネットに移行しています。イーサネットネットワークと、船舶の分散通信システムとを統合することによって、船内のコントロールおよび管理は著しく強化されました。船内の通信システムを統合するイーサネットの使用は、情報の中央集中化とマネージメントタスクの向上を可能とするブレークスルーとなりました。以下のセクションは、船舶の様々なオペレーションの責任および、船舶コントロールシステムをシングルネットワークと統合するための、最新の傾向について解説します。

船舶の主要なコントロールシステム

船舶の主なコントロールシステムは、システムによって異なるオペレーションの原則に基づき、4つの主要なシステムに分けることができます。4つのカテゴリとは、低圧空気コントロールシステム、油圧システム、電気コントロールシステム、自動コントロールシステムです。

  • 低圧空気コントロールシステム : 低圧空気コントロールシステムは、エアーツールを制御するために使用します。そのようなツールは、例えば、小型ドライビングマシン、計測器、エンジンシステム、電力発電機といった多くの目的のために使われます。
  • 油圧システム : 油圧システムは、大型マシン、ポンプシステム、錨の上げ下げ用ダビットをコントロールします。更に、油圧は、船舶のストレージシステムの管理にしばしば使われます。
  • 電気コントロールシステム : 電気コントロールシステムは、電気システム、通信機器、電気ツールを管理します。これらの特殊システムのオペレーションに使われる電力の大部分は、船内で発電します。
  • 自動コントロールシステム : 自動コントロールシステムは、メカニカル機器をコントールするために、小型モータとギアの組み合わせによって多くのシステムに使います。
伝統的なコントロールシステム管理の課題

現代の造船技術は、油圧システム、電気コントロールシステム、自動コントロールシステムが、オペレーションの異なる側面で重要な役割を演じています。ところが低圧空気コントロールシステムは、徐々に段階的にフェードアウトしつつあります。既存の主要なコントロールシステムは、例えば電気システム、水冷却装置、エアコンディションシステム、ダメージコントロールシステム、燃料システム、貨物ローディングシステム、推進力システム、補助装置、レーダーシステム、ソナーシステム、ラジオシステム、誘導システム、エマージェンシーシステム、警告システム、兵器システム(軍艦用)といった、異なるオペレーション機能をコントロールするために船内全体に分散されています。各々のコントロールシステムは、コントロールおよび監視のために独立したHMIまたはSCADAに接続されています。

船舶の分散システムは本来非常に複雑であり、異なるオペレーション基準が係わり、運行および維持に多くの人手と作が要求されます。
各システムは、毎日のオペレーションおよび監視のために、様々な技術的知識をもつ人々および船内の異なるキャビンにいる多数の乗組員のための通信に必要です。乗組員は、システムオペレータとコントロールセンタ間の、唯一の通信媒体として船内電話を使用します。一般に、大型船舶は多くの乗組員を必要とします。その結果、船内の異なるシステムを管理するための訓練された乗組員を養成するために、高額な費用を費やす必要があり、今日の船舶管理の最も大きな課題の1つとなっています。

ミッションの容易さと安全性を維持しながらワークロードおよび乗組員を削減するために、何か解決策がありますか?
伝統的な船舶のオペレーションおよび通信の主要な課題は、分散されたシステムコントロールおよび管理をするために、沢山の乗組員と複雑なワークロードが必要となることです。この種の問題の解決を図るための唯一の方法は、船内のメインシステムからコントロールセンタへの自動コントロールおよび監視情報の伝達をコーディネートする、統合ネットワークを構築することにあります。

船内通信のための産業イーサネットソリューション

以前から船舶で使用していた多くの伝統的なシステムは、近年、自動コントロール機器およびデバイスに移行しています。また、PLC、フィールドI/O製造メーカといった、数多くの自動コントロールメーカは現在、イーサネットインターフェースをビルトインした製品を製造しています。そのため、実際イーサネットは船舶自動システムをネットワークに接続することができるようになりました。自動コントロールシステムは、イーサネット通信ネットワークと結合して、自動的に分散されたオペレーションおよびコントロール情報をコントロールセンタへ伝達することにより、ワークロードおよび乗組員の数を削減することができます。

中央集中コントロールおよび管理
イーサネットがオープンスタンダードであることに基づき、イーサネット規格をサポートするすべてのオートメーションデバイスは、ネットワークに接続することができます。その結果、コントロール情報は、監視のためにリアルタイムに同期して、コントロールセンタへ伝送することができます。
管理コストの低減
伝統的に、多くの乗組員は高度なシステムおよび特定のHMI/SCADAが導入されることを恐れています。しかし一方で、イーサネットにより統合されたコントロールネットワークは、ワークロードを削減するだけでなく、船内の分散システムを維持しなければならなかった乗組員の数さえも減少させることができます。例えば、20人のよく訓練された乗組員だけで、10万トン級の商船を操船することができるので、人件費を劇的に削減することができます。
優れた柔軟性
様々なイーサネットスイッチは、異なるポート密度およびインテリジェント管理機能を備えています。また、いくつかのイーサネットスイッチは、船内に敷設する長距離通信の要求を満たすために、ファイバーオプティックポートを備えています。これらのネットワーク要求に従って、システムインテグレータは最も適切なスイッチを選択する必要があります。Moxaのスイッチは、ネットワーク計画および管理の価値を高めるために、リダンダンシ(冗長度)、VLAN、QoS、IGMPスヌーピング、ポートトランキングといったマネージメント機能をビルトインしています。
維持および管理が容易
イーサネットは、標準の通信プロトコルとして約30年以上にわたり使用されています。このように成熟した技術的基礎に基づくイーサネットを使うことで、利用可能なツールとして情報の管理が簡単かつ、より便利となりました。また、イーサネット技術の専門家も、比較的容易に見つけることができます。
手頃な帯域幅
すべてのコントロールシステムがシングルネットワークに統合されている状態で、ネットワークを介して送られる複雑な大量なデータは「データモンスタ」となるために、障害のない伝送を行うためには、より高い帯域幅を必要とします。イーサネットは、船内で手頃なネットワーク帯域幅を供給します。現在、主に10/100Mのポートを使用してネットワークを形成している産業イーサネットスイッチは、従来のシリアル通信ネットワークに比べて、より高い帯域幅を供給します。Moxaの産業イーサネットスイッチは、より高い帯域幅の要求を満たすために、最大1ギガビットのバックボーンネットワークをサポートすることができます。
拡張性およびアップグレードが可能
現在、オートメーションコントロールメーカは、イーサネットインターフェース対応のコントロールデバイスを提供しています。また、ビデオ監視やRFIDなどの、多くのアプリケーションがイーサネットをサポートしています。イーサネットは、多くの異なるソースからデータを取り入れることができると共に、システムの拡張性やアップデートも比較的簡単にできる、最高の通信システムといえます。

イーサネットをベースとする統合された産業オートメーションネットワークは、大型商船、遠洋定期船、貨物船、タンカ、造船所マネージメントのための、効率的かつ費用対効果に優れたソリューションを提供します。商船と比べ軍艦は、はるかに洗練されたコントロールおよび監視をインテグレーションする必要があります。イーサネットは、既に様々な大型船の通信のために導入されています。

Moxaのソリューション

海洋ソリューションのためのDNV/GL/ABS/LR/NK認証を取得した産業イーサネットスイッチ
Moxaの取得したDNV/GL/ABS/LR/NKの海洋認証は、Moxaの産業イーサネットスイッチが、危険な海洋アプリケーションの下で堅牢さを発揮できることを立証します。更にMoxaは、すべての海洋オペレーションに必要な、製品のワンストップショッピングを提供するために、DNV規格の産業メディアコンバータ、シリアルデバイスサーバ、および産業用組込コンピュータを提供します。
産業オリエンテッドの設計
Moxaのイーサネット製品は、Class I Div 2/ATEX Zone 2, UL, CE, およびFCC規格を満たすハザード産業環境において、スムーズかつ信頼性の高いオペレーションを実現できる設計がされています。また、Moxaのイーサネットスイッチおよびメディアコンバータの多くは、産業環境で要求される-40 ~ 75℃といったワイドな動作温度をサポートします。
3年および5年の製品保証
Moxa製品は、3年および5年間の製品保証を提供します。
完全なONE-netソリューション
Moxaは、リアルタイム表示、インフォメーション、音声の監視、コントロールアプリケーションのために、イーサネットを通してデータ、ビデオ、音声を統合したONE-netソリューションを提供します。
20年以上にわたる産業通信の専門的な経験
Moxaは、20年以上にもわたる産業通信ネットワーク技術の経験を有し、今日まで世界中の750万台以上のデバイスがMoxa製品に接続されています。
グローバルな技術サービスを担うローカルサポート
Moxaは、グローバルな技術サービスサポートとして、各国の代表的な代理店に対して行う教育および厳しいテストを実施する"Moxa Technical Support Certification (MTSC)"と呼ばれる認定制度を導入しています。この厳しいテストに合格した代理店だけが、Moxa製品の技術的な質問および回答、プロポーザルの提出を、オンタイムでフレンドリかつプロフェッショナルに実施しています。
日本では、アイ・ビー・エス・ジャパンだけがMTSCの全科目に合格しています。