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製品・技術情報

ヘルシンキ市内地下鉄車両の広告、音声および乗客情報システム

カテゴリ 鉄道交通
使用製品
EN 50155 16ポートマネージドイーサネットスイッチ
ロケーション フィンランド
プロジェクトの紹介

ヘルシンキの地下鉄運用会社、ヘルシンキ市トランスポート(HKL)は、地下鉄の乗客にリアルタイムの広告とエンターテインメントを提供するためにクリアーチャネル社と地下鉄の広告スペースの契約をしました。設計や必要なすべての機器への展開のための基礎、そしてHKLの地下鉄サービスを考えると、コンテンツ供給のための技術としてIPの選択はごく自然な流れでした。HKLでは、地下鉄のスクリーン上で広告を提供することを決めました。広告は、ネットワークを介してリアルタイムに供給されます。そのため、地下鉄システムでは新しい通信ネットワークの展開が必要となりました。ネットワーク・インフラストラクチャは、メンテナンスのスケジュール、電車診断システムへのアクセス、および一般的な電車情報へのリアルタイムアクセスのために使います。これらの機能は、ネットワークが無い頃は特殊な機器を列車に搭載して実行されていましたが、現在は新しいネットワークを使ってリモートから行うことができるようになりました。また、乗客は搭乗中、自由にWLAN接続を楽しめます。

システムの要件
  • 地下鉄乗客への広告とエンターテイメント・コンテンツのリアルタイム送信
  • 車両内部のワイヤレスアクセスポイントによる軌道から地下鉄車両までのシームレスなワイヤレス接続
  • IP54等級あるいは以上の鉄道用認証を取得した堅牢な産業用製品
  • 車両内のVLAN能力と冗長性を提供するEN-50155鉄道認証のイーサネットスイッチ
  • レガシーデバイスと容易に統合できる製品
  • 高いポート数を備えたシングルイーサネットスイッチで各車両のすべての機器との接続ができること
Moxaのソリューション

地下鉄の列車といった移動車両へのIPベースコンテンツの提供は、HKLのエンジニアにいくつかの課題を提起しました。利用可能なオプションについて調査した後、HKLは2つの重要な決定をしました。

802.11ワイヤレスプロトコルは、列車と地上間通信に使用すること。そして、車両に搭載する通信インフラストラクチャには、産業イーサネットを使用することです。HKLは、ワイヤレスと産業イーサネットネットコンポーネントの両方について、高い信頼のあるパフォーマンスを必要としました。更に、すべてのデバイスは車両に必要なEN-50155 : 2007認証に準拠すること。また、環境ハザードに対する高いレベルの保護、更に、少なくともIP54等級またはそれ以上のハウジングを必要としました。鉄道沿線から地下鉄内部への通信は、既存の冗長WLANシステムにより実現します。システムは常に2つのアクセスポイントに接続され、1つのアクセスポイントの通信がダウンすると、システムは直ちに次のものに接続します。この方法では、ローミング時間が全く発生しません。

車両内部の通信は、MoxaのEN 50155鉄道認証取得のTN-5516シリーズ 16ポートマネージドイーサネットスイッチで実現します。独立した2電圧レベル入力(24 VDC、72 VDC)を備えた2つのイーサネットスイッチは、地下鉄の2車両ごとに搭載されます。スイッチは、高速リカバリタイム20ms未満のMoxaの冗長Turbo Ringプロトコルを通して接続されます。他のすべての通信デバイスは、イーサネットスイッチに接続され異なるVLANに分けられます。ネットワークは、情報システムと無料のWLAN接続の両方を地下鉄に乗車している乗客に提供します。

何故Moxaが必要?
  • VLANサポートの鉄道車両の認証を受けたスイッチソリューションおよびネットワーク内のすべてのデバイスをカバーする十分なネットワークポートを提供することができます
  • TN-5516マネージドイーサネットスイッチは、Moxaの冗長Turbo Ring構造を使用して、冗長ネットワークのための安定かつ信頼性が高くまた、容易にソリューションの展開を提供します
  • Moxa製品は、厳しい環境に適した-40~75℃の拡張動作温度をサポート
  • ソフトウェアを使用せずにメンテナンスエンジニアがTN-5516スイッチ上の3つのロータリスイッチを使いIPアドレスの最後の3桁を設定することによりメンテナンスが容易となります
  • 2つの独立した24 VDCおよび72 VDCの電源入力が列車内の電源システムに完全に適合します