カテゴリ | 鉄道交通 |
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使用製品 |
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ロケーション | フィンランド |
ヘルシンキの地下鉄運用会社、ヘルシンキ市トランスポート(HKL)は、地下鉄の乗客にリアルタイムの広告とエンターテインメントを提供するためにクリアーチャネル社と地下鉄の広告スペースの契約をしました。設計や必要なすべての機器への展開のための基礎、そしてHKLの地下鉄サービスを考えると、コンテンツ供給のための技術としてIPの選択はごく自然な流れでした。HKLでは、地下鉄のスクリーン上で広告を提供することを決めました。広告は、ネットワークを介してリアルタイムに供給されます。そのため、地下鉄システムでは新しい通信ネットワークの展開が必要となりました。ネットワーク・インフラストラクチャは、メンテナンスのスケジュール、電車診断システムへのアクセス、および一般的な電車情報へのリアルタイムアクセスのために使います。これらの機能は、ネットワークが無い頃は特殊な機器を列車に搭載して実行されていましたが、現在は新しいネットワークを使ってリモートから行うことができるようになりました。また、乗客は搭乗中、自由にWLAN接続を楽しめます。
地下鉄の列車といった移動車両へのIPベースコンテンツの提供は、HKLのエンジニアにいくつかの課題を提起しました。利用可能なオプションについて調査した後、HKLは2つの重要な決定をしました。
802.11ワイヤレスプロトコルは、列車と地上間通信に使用すること。そして、車両に搭載する通信インフラストラクチャには、産業イーサネットを使用することです。HKLは、ワイヤレスと産業イーサネットネットコンポーネントの両方について、高い信頼のあるパフォーマンスを必要としました。更に、すべてのデバイスは車両に必要なEN-50155 : 2007認証に準拠すること。また、環境ハザードに対する高いレベルの保護、更に、少なくともIP54等級またはそれ以上のハウジングを必要としました。鉄道沿線から地下鉄内部への通信は、既存の冗長WLANシステムにより実現します。システムは常に2つのアクセスポイントに接続され、1つのアクセスポイントの通信がダウンすると、システムは直ちに次のものに接続します。この方法では、ローミング時間が全く発生しません。
車両内部の通信は、MoxaのEN 50155鉄道認証取得のTN-5516シリーズ 16ポートマネージドイーサネットスイッチで実現します。独立した2電圧レベル入力(24 VDC、72 VDC)を備えた2つのイーサネットスイッチは、地下鉄の2車両ごとに搭載されます。スイッチは、高速リカバリタイム20ms未満のMoxaの冗長Turbo Ringプロトコルを通して接続されます。他のすべての通信デバイスは、イーサネットスイッチに接続され異なるVLANに分けられます。ネットワークは、情報システムと無料のWLAN接続の両方を地下鉄に乗車している乗客に提供します。