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産業界で認められた、洋上風力発電の統合化ソリューション カタログ

  • 2011.08.12

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スマートグリッドの一端を担う風力発電風車を沿岸近くの洋上に設置するには、規制緩和に加え、技術的に数多くの課題を克服する必要があります。課題を克服するための産業グレードのハードウェアおよびソフトウェアのポートフォリオをご紹介します。

スマートグリッドの一端を担う風力発電風車を沿岸近くの洋上に設置するには、規制緩和に加え、技術的に数多くの課題を克服する必要があります

地球温暖化の影響緩和のため、そして脱原発の動きが起きる中、先進国・開発途上国を問わず、化石燃料を燃やす従来型の発電所や原発を置き換える「再生可能エネルギー」に対する投資が重点的に行われています。代替エネルギーの数ある選択肢の中で最も注目を浴びているのは太陽光発電ですが、現在の太陽電池は変換効率が10%台にとどまり、また発電コストは37円から46円と石炭火力の約4倍にも達するといわれています。現在、ソフトバンクの孫社長を中心とした太陽光発電の「電田プロジェクト」や、再生可能エネルギーで発電された電力を高額で買い取る制度の成立を目指し、閣議決定が国会に提出されていますが、実際に太陽光による発電が採算の取れる額で買取してもらえるか否かが議論となっています。

一方再生可能エネルギーとして、風力発電もまた、重要かつ効果的なソリューションとなり得ます。風力発電は発電コストが1KW あたり20円前後と安く現実的ですが、日本では環境規制などの理由から発電施設の立地が限定されています。日本は四方を海に囲まれ海岸線は、35,000Kmと膨大ですが、その約63%が津波や高潮を保護する海岸保全区域に指定されています。わが国では、これまで風の強い沿岸に近い洋上の利用は、風力発電を念頭に置いた審査基準がなかったため導入が遅れていました。確かに海岸の防護や景観、漁業権などの問題は山積していますが、わが国の電力の近代化という公益性を考えると、独自の審査基準を早急に進める必要があります。今後は電力会社から送電部門を切り離す「発送電分離」を含めた大胆な規制緩和が不可欠ですが、これをクリアーすれば日本でも再生可能エネルギーの発電量の拡大が期待されます。

洋上に風車を並べるには、技術的に多くの課題を克服する必要があります

洋上風力発電所が抱える主な課題

  1. 苛酷な環境下でのオペレーション:
    洋上風力発電所が抱える主な課題は、波による激しい振動、気温の大幅な変動、そして塩および水による腐食です。洋上風力発電所は通常、陸上よりも風速が強い沿岸線に沿って建設されます。しかし洋上における環境は、腐食や極端な温度変化など非常に厳しい場合がほとんどです。
  2. 設置とメンテナンス:
    沿岸線に沿って数百km2の範囲にわたり分散して建設される洋上風力発電所(ウインドファーム)は、天候、環境、そして距離の制約の面から、設置やメンテナンスが非常に困難です。
  3. 信頼性が高く安定的な運行:
    送電線およびネットワークの制御線は、通常海底に埋められており、また場合によっては制御センターに最も近接する風力タービンでもその距離が3 kmも離れていることがあります。そのためネットワーク障害は電力会社にとって大きな損失となるばかりか、障害の起きた機器を修理するためにエンジニアを現場へ派遣するコストも非常に高額となります。
  4. ファンレス設計、システム全体を通じた優れた設計で幅広い動作温度ソリューション:
    洋上風力発電設備は、外部環境による気温変化が激しく、厳しい温度条件下に置かれます。そのためアプリケーションに使用する製品は、苛酷な産業使用に耐える堅牢さを保証するため、システムレベルでの設計が施される必要があります。
  5. 塩霧からの保護および防湿(IEC60945およびG3準拠):
    PCBやその他の電気回路へのコンフォーマルコーティング加工により苛酷な洋上環境につきものの湿度や埃、腐食、振動、衝撃などによる影響から機器を保護する必要があります。
  6. 耐振動・耐衝撃(DNV認証):
    洋上風力タービンが波や強風による影響を受け、予測不可能な振動や衝撃に絶えずさらされます。そのため使用する製品は厳格な振動テストを通過し、DNV認証を受け、IEC 60068-2-6基準に適合することが必須です。
  7. ソフトウェア管理ツールにより遠隔監視、アラーム、トラブルシューティング:
    データ収集、あるいは定期メンテナンスのため風力タービンの現場にエンジニアを派遣するのは費用面で非常に高コストとなります。そのため中央の管理センターから遠隔メンテナンスを可能にし、またシステムインテリジェンスを強化するため、ネットワーキング、制御および監視、コンピューティングのためのIPビデオ監視ソフトウェアを含むソフトウェア管理ツールが必要です。
  8. リダンダント技術を駆使してノンストップオペレーション:
    非常に柔軟性の高いセルフヒーリング(自己治癒)イーサネット技術(リカバリタイム< 20 ms)といった複雑な産業用分散ネットワークの安定的な構築また、既存のリダンダントリング技術の制約を越えた複数のリダンダントネットワークの構築が必要です。また、その際、時間コスト、配線コスト、必要なイーサネットポート数を大幅に削減することも要求されます。更に、複雑なネットワークにも冗長性を持たせ産業用イーサネットのネットワークアプリケーションに最大限の信頼性と可用性を保証する必要があります。