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高度道路交通システム(ITS)ネットワーク計画のよくある間違い

  • 2013.01.11
  • ITS 高度道路交通システムページへ

高度交通システム(ITS)に必要な通信ネットワークを計画する際に、様々な設計上の欠陥、システムの不備、およびセキュリティの脆弱性の多くが設計エンジニアの不注意で見過ごされ、その結果、通常システム障害の形で検出されます。特にITSの特定のセグメントの中でセキュリティ、安全に重要なアプリケーション、システムの整合性およびパフォーマンスの信頼性は、ドライバの安全を確保するために重要です。更に、安全性の懸念に加えて、不適切に設計されたネットワークは、交通事業者に対してシステムの拡張性、費用対効果、運送事業者の総所有コスト(TCO)に深刻な影響を与えます。 この記事は、交通機関関係者がITSの導入を計画する際に注意すべき必要がある重要な部分を強調しています。

セキュリティの不備

IPコンバージェンスのメリットを最大化するためのITSネットワークに必要とするデータ通信は、しばしば交通システムが同じタイプの認証のないアクセスや悪意ある攻撃に晒される可能性のある従来の企業ネットワークを介してルーティングされます。米国国土安全保障省は、2012年8月にalert警報を発令しました。産業用ネットワーク機器を手掛けるカナダのある著名な産業用ネットワークデバイスメーカ製品に脆弱性があるとしてICS-CERTが8月21日付でセキュリティ情報を公開しました。適切なサイバーセキュリティ対策の欠如からシステムの脆弱性が本来セキュアであるべきSCADA機器の機密性、完全性、可用性が損なわれる可能性があると指摘しています。Moxaのファイアウォール/NAT/VPNセキュアルータ(最大500 Mbpsのスループット)は、IPSec、L2TP、PPTP、およびミッションクリティカルなITSコントロールシステムを保護するためのNERC CIP規格に準拠した機能を備えた信頼性のある接続を提供します。
ネットワークが保護されていないために実際に何が起こったのか、いくつか例を紹介します。

  • 2006年に不満を持った従業員が信号コントロールシステムを切断したことによりロサンゼルスの最も混雑した交差点の4ヵ所のサービスが停止し、その復旧までに4日間要しました。
  • 2008年にポーランドで14歳の少年がテレビのリモコンを改造した機器で線路のポイントを変更したためトラムを脱線させ12人が負傷しました。
  • 2009年には、イタリアで38歳の公務員の男がトラフィックカメラの不正を企てたとして罰金€210,000を支払いました。
信頼性/費用対効果/脆弱性

従来の多くのリング冗長化技術は、ミッションクリティカルなアプリケーションのためにミリ秒レベルのリカバリタイムを実現すると主張しています。 しかし、MoxaのTurbo RingおよびTurbo Chainの冗長化技術は、250台スイッチの全負荷接続で20ms未満のリカバリタイムを実現することがテストで証明されただけでなく下記に示すようにITS事業者がシステム展開時に実質的にケーブルコストを大幅に削減することができます。

米国運輸省のエントリentryで示されたようにファイバケーブルのコストは、1マイル(1.6km)で約USD$ 11,880 要します。Turbo Chain技術を使用すると展開に必要なケーブルコストをUSD$ 47,520 節約することができました。

多くの屋外のITSアプリケーションは、温度の変化が激しいため苛酷な環境の中で中断のない運用を実現するためにワイド動作温度のサポートが必要不可欠です。
実際に道路沿線キャビネット内の温度は、60℃を超えます。夜間は、氷点下以下まで達します。このためワイド温度定格を備えていないすべてのデバイスは、潜在的にITSネットワークを脆弱にします。ITSプランナは、商用グレードのデバイスをトラフィック管理センタ(TMC)で使用する際にTMCの空調ユニットが故障したときネットワーク機器が故障する原因となること認識できません。一般的にネットワーク機器の信頼性が温度の上昇により損なわれる可能性があることを認識していません。また、商用のネットワーク機器は、冷却のためにファンを使用していますがファンの故障率が高いために全体のMTBFを悪くする原因となっています。このためMoxaの産業用デバイスは、特殊な熱放出技術を使ったファンレス設計されているので高いMTBFを確保しています。 これを裏付ける資料として、日経NETWORK、2012年12月号の中でネットワーク管理者としてのスキルアップのためにも、機器の適切な扱い方を理解しよう、という記事の中でネットワーク機器の故障を減らすコツとして下記の事項を紹介されています。

故障の実態
  • 寿命があるファンや電源が壊れやすい
  • 温度に気を付ければ故障は減らせる
原因1 【 温度 】
  • 高温だと部品の寿命が縮まる
  • 置き場所を気にしよう
原因2 【 雷・静電気 】
  • 雷サージで内部の部品が壊れる
  • 防護製品は接地を忘れずに
原因3 【 水・衝撃 】
  • 結露は搬入方法を工夫して防ぐ
  • 人の行動範囲から遠ざけて落下防止

ITSのプランナは、フィールドサイトからコントロールセンタに至るまで前述した故障する可能性を排除した要件の産業用イーサネットスイッチ、産業用ワイヤレスソリューション、シリアルデバイスサーバ、イーサネット-ファイバーメディアコンバータを含むMoxaのフルラインのネットワーキングデバイスを使った完全な産業用ITSネットワークを展開する可能性を考慮すべきです。

ITSアプリケーションに必要な従来の監視システムに使用している屋外カメラは、一般的に高い故障率であり交換や修理など多大な出費を伴うことから政府資金を不当に使用していると多くの人が考えています。通常、苛酷な屋外環境で使用する商用の屋内用カメラは、比較的早く故障します。そのため通常、保護されたシェル内に一般の室内環境を維持するためにヒータ/ファンを加える設計で商用の屋内用カメラが収納されます。氷点下に耐えまた、熱放散のための優れた熱伝導処理技術による特別な設計されたMoxaの優れたパフォーマンスのIPカメラは、ヒータ/ファンを必要とせず屋外のITSアプリケーションの苛酷な動作環境でデジタル技術を使いエンハンスしたビデオ映像を配信することができます。下記は、WDRおよびデ・ミスト技術の利点を利用したビデオ映像と使用しない比較をしたビデオ映像です。

夜間でのカラーモード
夜間でのB/W(白黒)モード
  • デミスト ON
  • デミスト OFF
ITSネットワークの神話と事実

長年にわたり、業界をリードしている商用ネットワーク機器プロバイダは、シングルベンダだけによる保守作業、総所有コスト、運用コストの削減を約束するネットワーク展開ができる利点を売り込んでいます。しかし、Gartnerが発表したレポートreportによるとアナリストは、シングルベンダによるネットワークの利点を示唆する裏付けとなる証拠はないと結論づけました。
この納得のいくレポートは、それ以来シングルベンダにかわり商用グレードの機器を使ったエンタープライスのインフラストラクチャ配備を考慮するエンタープライズネットワーク設計者を駆り立てました。事実、ネットワーク管理と保守を最適化する先進的な産業用NMS(ネットワークマネージメントソフトウェア)、ミリ秒レベルのネットワークリカバリおよび産業用のワイド温度耐性といったITSにとって特定技術の利点をフル活用してドライバの安全を最優先事項とするITSアプリケーションは、これらをサポートするエッジ・ツー・コア展開のデバイスを必要とします。
ITSネットワークのためにシングルベンダのネットワークインフラストラクチャは、特にアプリケーションのニーズに合わせて設計され具体的に校正された機器が適用されるべきです。一方、ローカルコントロールおよびTMCにまで拡張される完全な産業ITSネットワークは、より初期投資を必要とするかもしれませんが、改良されたネットワークの稼働時間、最適化されたネットワークパフォーマンス、およびメンテナンスコストの削減できるメリットは、すべて総所有コスト(TCO)の削減に貢献します。

ITSに必要とする堅牢な産業用イーサネット・ネットワークを構築するためのネットワークの持続性、最適な監視、耐候オペレーションおよび実証済みの信頼性についてMoxaの革新的な技術がITSの導入に利益をもたらします。詳細は下記の技術情報ページをご覧下さい。

ITSのワンストップショップのためのエッジ・ツー・コア産業用イーサネットソリューションに関するMoxaの包括的なポートフォリオの詳細については、「産業用イーサネットソリューションカタログ(pdf)」をダウンロードしてください。