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製品・技術情報

初歩の電波(無線と電波について)

  • 2010.03.02

第4章 さらなる理解へ

ここでは、これまでに電波に関連する概要説明をした中で分かりにくい内容をさらに詳しく、テーマを絞って説明します。多少難しい部分も含まれますが、これにより理解が深まり、さらに興味を持ってもらえるように願っております。

4-14) ノイズとは

電波を使用する通信において、通信品質を落とすか、または通信不能にする要因として大きなものはノイズです。電波はどこからでも飛んできますので、そこにはノイズの混入もあります。ノイズとは何かと言いますと、受信の際に不要なもの全てになりますが、自分の受信帯域に含まれる、使用しないその他の信号もノイズとなります。無線機器以外の電子装置、産業機械、送電設備、車両、太陽、雷、LEDランプ等からのものも含まれ、また本来届かないはずの予想外の電波、マルチパス(反射波)もノイズとなります。

下図に示すマルチパスフェージングは、色々な経路を通って電波が受信装置に届くために電波の干渉が発生し(メインとなる信号にビル等からの反射信号が加算されたり、減算されたりで信号強度が変動すること)、受信信号強度が大きく変化して、時により通信ができなくなる現象です。携帯電話等では、ほんのわずか位置を変えただけで受信状態が良くなったりします。

その他には受信機の内部で発生する熱雑音も含まれ、これは、受信機内部の抵抗で電子が移動する際の揺らぎによるノイズと言われています。本来、いくら小さい信号であっても増幅すればするほど受信可能(元の信号を復元)なはずの信号が、この様なノイズに埋もれて検出できなくなります。