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技術情報

IBS Japan

サージプロテクタとは

  • 2010.02.15
産業用バスにおけるサージプロテクションの重要性

「全てをネットワークに接続!」の合言葉に、世界中の企業でネットワークベースの自動化が急速に標準化してきています。ITの世界あるいは産業分野でもその波が押し寄せてきています。CNC、工作機械、カードリーダ、バーコードリーダ、プリンタ、計測器、PLC、センサ、UPS、テスタ、などのシリアルインターフェース機器をデバイスサーバ経由で高速のネットワークに接続することにより自動化システムがネットワーク化でき、品質管理、製造工程のモニタリング、自動データ収集システム、リアルタイムコスト管理などに応用されています。

ところが、産業分野においては、現場に大型モータ、高電圧機器、高圧スイッチなどが設置されているため、電気的なノイズが多い環境であるため、ノイズ対策を考えないと信頼性の乏しいシステムになる恐れがあります。特に、ネットワークが広い敷地内に敷設されている場合、ネットワークに接続されている電子機器は当然ながら異なる電源から電源の供給を受けています。電源は良好なアースをとっていたとしても、異なる電源を使用しているとアースグランド間で電位差が生じます。電位差とは、基準の電位に対する電気信号の差であり、電位の基準となるところはグランドです。基準の電位が揺らぐとノイズを生じます。多くの機器がネットワークに接続されている場合、各機器のグランドが相互に接続されているためにループをつくります。これはグランドループと呼ばれる雑音となります。このように電位差によるグランドループが生じると、RS-232C、RS-422/485、PCのネットワークカードといったインターフェースの信号ラインに限界以上のオーバーサージ電圧がかかり、データ伝送のエラーが生じたり、最悪の場合は、貴重なデバイスを破壊してしまい生産ラインのストップにも繋がりかねません。

また、屋外に接続されている通信線、または電源入力ラインは、夏場に雷の影響を受け易いといえます。雷のように、ナノ秒単位の高速で瞬間的に高い電圧エネルギーは、サーキットブレーカあるいはヒューズを入れても検出できず素通りです。例えば、屋外に置かれたタイムレコーダ、監視用Webカメラに繋がっている通信線に雷が直接あるいは間接的に落ちた場合、接続された機器のI/OカードのICが瞬時に破壊されてしまいます。夏になると故障し、冬は問題がないというケースです。

サージを防止する方法 :
  1. サージプロテクタを各機器のインターフェースおよび電源ラインに適切に取り付ける方法です。この場合、良好のアースをとる必要があります。
  2. データラインにフォトカプラ回路を設け、電気⇒光変換、光⇒電気変換による光学的アイソレーションを行う方法です。
    シリアルインターフェースカードには、最初からフォトカプラによる光学的なサージプロテクション回路が組み込まれていることが多くなっています。
  3. 長距離に信号を伝達する場合には、電気信号を一度デジタル信号に変換して光ファイバを用いて信号伝送を行った後、再度デジタル信号を電気信号に戻す方法です。一般的にメディアコンバータといわれています。
    RS-232C, RS-422/485⇒光ファイバ変換。グランドループ、EMI、RFIなどの影響もなく距離を2km~20kmまで延長できます。