USB Hubが一般の業務用目的で使用される場合には、USB機器を破壊する要因となる激しいノイズやEMC干渉のある環境は殆ど存在しません。ご存知のように最近の一般業務用PCには、以前のようにRS-232Cのシリアルインターフェースが存在せず、その代わりにUSBインターフェースが標準装備されています。そのため他の周辺装置と接続するには、このUSBポートを使用する必要があります。しかし、ノイズやEMC干渉のある医療・産業環境においてUSBインターフェースを使う場合、必然的に過酷な環境に適したUSBのアイソレーションを考慮する必要があります。
USBのアイソレーションはコンピュータのUSBポートを危険なグラウンドループから保護すると共に、産業施設で使用されている可変周波数モータ駆動(VFD)、溶接機、または他の産業用大型マシンからの電気的ノイズのある環境や、MRI、CT、レントゲン装置や電気メスなどから大量なEMCが発生する医療機器環境において、データインテグリティを確保します。USB製品を使用するにあたりアイソレーションモデルか非アイソレーションモデルかを決定する必要があります。特に重要なことは、今日の市場で入手可能なアイソレーション技術では、スピードが12 Mbpsに制限されていることに注意する必要があります。
この他にUSBアイソレーションの使用を決める前にまず、帯域幅、ダウンストリームパワー、カスケード要件を考慮する必要があります。