導入事例
石油・ガス
エッジからクラウドまでのIIoTアプリケーションに要求される強靭なシステム設計の実現
アプリケーション | 石油貯蔵タンクのリアルタイム監視 |
---|---|
カテゴリー | 石油・ガス |
プロジェクトの背景
産業用IoT (IIoT) は、スマートシティ、石油および天然ガス、電力発電所や変電所などの、遠隔地の過酷な環境でのオペレーションを必要とする様々な分散型アプリケーションで利用されています。これらのアプリケーションでは、フィールドデバイスの手動点検、問題に対するトラブルシューティングを実施するために現場にメンテナンス要員を派遣することで、システムのダウンタイムとコストの増加に繋がり、正常なオペレーションを維持することが課題となります。
この問題を打破するために、強靭なハードウェア設計と豊富なソフトウェア機能を備えたMoxaのIIoTゲートウェイを使用することで、リモートの過酷な動作環境での使用に耐え、予期しないシステムのダウンタイムの低減に寄与することができます。
課題・ニーズ
石油貯蔵タンクは、温度、タンク内のオイルレベル、ガス濃度などを測定する複数のセンサーからのデータを活用して、リアルタイムに監視する必要があります。このデータは、リアルタイムの監視を行うためにIIoTゲートウェイを経由してクラウドプラットフォームに転送されます。そのため、IIoTゲートウェイはプロセス全体において重要な役割を担います。IIoTゲートウェイを選定するには、エッジからクラウドまでの連続的な接続を可能にする産業グレードの認定を取得したゲートウェイを必要とします。また、ゲートウェイは、セキュリティの脆弱性から保護し、システムのダウンタイムを削減するために、リモートアップグレードに対応することが不可欠となります。
導入の効果
強靭なハードウェア設計
Moxaは、世界中の産業界のパートナーと協力し、厳しい動作環境に対応するミッションクリティカルなアプリケーションに不可欠な、認証された堅牢な産業用グレードのコンピューティングソリューションを提供することに専念しています。
強靭なソフトウェア設計 - OTA (Over-The-Air) アップグレード
分散アプリケーションのシナリオでは特に、アップグレードやパッチアプリケーションの実行中にIIoTゲートウェイが切断されないようにすることが必要です。
- OTAアップグレード
-
IIoTゲートウェイの多くは、遠隔地、無人、過酷な環境下にインストールされ、ネットワーク通信は主にLTEコネクティビティに依存しています。しかし、LTEコネクションは不安定な場合があります。遠隔地のIIoTゲートウェイに新しいソフトウェアアップグレードを提供する場合、オペレータはLTE伝送の費用とアップグレード失敗の可能性を考慮する必要があります。
- データ通信のレジューム機能により、不要な通信料を削減
- ソフトウェアバックアップにより、遠隔地での迅速なシステム復旧を実現
(AIGシリーズにより可能)
- ThingsPro Edgeによる信頼性の高いデータ伝送
-
ThingsPro Edgeは、ネットワークコネクションのステータスを検出することができます。不測の切断時に、基本的な再試行機能とは別に、ThingsPro EdgeはWi-Fi、LTE、イーサネットの通信インターフェース間を自動的に切り替えて、中断のないデータ伝送を実現します。
- データの完全性を保証するストア&フォワード機能
-
予期せぬ切断が発生した場合、エッジデータはIIoTゲートウェイに安全に保存され、コネクションが回復した時点でクラウドに伝送されます。
セキュリティサポート
Moxa Industrial Linux (MIL) は、標準のLinux kernelをベースとしたDebianベースのディストリビューションで、下記のDebianパッケージをサポートしています:
- Debianの実績とフィールドで証明された安定性
- リモートデバイスアップグレードのためのAPT (Advanced Packaging Tools) ベースのメカニズム
MILには、以下を含むLTS (長期サポート) が付属しています。
- 最大10年間のセキュリティサポート
- セキュリティ脆弱性の修正