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【メディア掲載情報】工業技術社発行の「計装」2023年11月号に記事が掲載されました
工業技術社発行の「計装」2023年11月号に、弊社システム営業部セールスプロモーション課 藤田が寄稿しました無線応用システムの最適運用に関する記事「Windows 11搭載国内防爆対応タブレットの最適活用法」が掲載されました。
進化する計装機器やスキルアップのための計装機器を特集とした本号において、Windows 11を搭載したGetac製防爆タブレット『UX10-Ex』の優れた性能と活用方法について紹介しています。
「計装」のお求めに関しては、発行元である工業技術社のWebサイトをご確認ください
https://www.ice-keiso.co.jp/index.html
寄稿記事
「Windows 11搭載国内防爆対応タブレットの最適活用法」
アイ・ビー・エス・ジャパン株式会社
システム営業部 セールスプロモーション課
藤田 修徳(フジタ ノブヨシ)
- 1.はじめに
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近年のコロナ禍の影響もあり、省力化やペーパーレス化を含むDX(デジタルトランスフォーメーション)に向けた取り組みは、業種業態を問わず加速している。「防爆エリア」と呼ばれる爆発の危険性が高い環境で使用される産業施設や作業場においても例外ではない。ロボット制御や、人員の管理、工程進捗管理の自動化やプラントのモニタリングなど、防爆エリア内でこれらの作業のデジタル化が実現できれば、作業効率の向上はもとより、昨今深刻になっている熟練技能者の引退や人員不足といった問題にも寄与する。
しかし、ものづくりの現場をはじめとする産業界のDXを進めるうえで立ち塞がる壁のひとつに、使用環境に対応できないIT機器の仕様(設計や性能面)があるが、防爆エリアにおいては、その現場の特性から、求められる要件は非常に厳しくなる。ところが、働き方改革をうたって提供されている画期的なソリューションの多くは、オフィスや自宅で働く人のために最適設計されているため、過酷な環境で使用することが想定されていない。一方で、産業向けに設計された機器の多くは、多様化するシステム要件を満たすことの出来ない旧式の仕様であることが多い。
本稿では、日本国内の防爆認証を取得、Windows 11を搭載し、機能面、性能面、ユーザビリティにも優れたGetac社の防爆タブレット「UX10-Ex」についてご紹介する。
- 2.防爆エリアを有する現場
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日本のものづくりの現場では、大型プラントをはじめとするさまざまな爆発の危険がある設備の周辺エリアを「防爆エリア」に指定して安全管理を行っている。防爆エリアは、特別危険箇所であるZone0から3段階あり、人が作業のために立ち入ることができるのは、この3段階のなかで最も危険度の低い第2類危険箇所、Zone2が原則となる。この防爆エリア内では、日本国内の防爆規格を取得した電子機器しか使用できないことが、法令(労働安全衛生法)で定められている。
UX10-Exは、海外ならびに日本国内の防爆規格を取得した防爆タブレットである。(写真1)作業者は、本製品を携行し、第2類に指定された防爆エリア内において、点検作業などを行うことができる。
(写真1)実際に、本製品は日本国内の食品香料製造現場や、発泡プラスチック系素材を扱う化学工場、自動車や産業用車両部品の製造工場で採用され、防爆エリア内の作業工程における工程管理、点検作業のデジタル化やペーパーレス化に貢献している。
3.防爆タブレット「UX10-Ex」の特長・機能
- 3-1.高速CPU搭載、Windows 11搭載のストレスのない操作感
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UX10-Exは、オフィス向けPCと同等の高いコンピューティング能力を持っている。CPUはIntel Core i5/i7の第10世代を搭載し、OSはWindows 11 Professional 64ビット版がインストールされている。標準で8GBのメモリ(最大32GB)と256GBのSSD(最大1TB)ストレージを搭載しており、企業用途のソフトウェアがほとんど動作させられる汎用性の高い構成となっている。通信機能も高速通信に対応しており、標準でIEEE802.11ax準拠の高速無線LANに対応している。オプションで4G LTEモジュール(GPS内蔵)を搭載することが可能であり、リアルタイムアクセスと制御を実現し、場所を意識せずに通信が行える。
- 3-2.豊富なオプション機能
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点検作業において、手入力による入力ミスは作業やデータの信頼性を損なうことにつながる。そのため、バーコードやRFIDを用いて対象となる設備の固有情報を取得する方法が作業スピードと正確性を高める。防爆エリアにおいては電子機器の外部インターフェースによる接続拡張が許可されていないため、組込み搭載の可否は重要である。UX10-Exはオプションで固定装着することができるので、活用用途が広い。その他、8メガピクセルのリアカメラや手袋着用時にも画面操作を可能にするスタイラスペンなど、作業時の記録に便利な豊富な機能を搭載している(写真2)。
(写真2)また、RS232シリアルポートやRJ45ポート、VGAポートを搭載することもでき、レガシーデバイスとの通信も可能になる。
- 3-3.直射日光の下でも見やすい高輝度画面
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10.1インチサイズでフルHD解像度のIPSTFT液晶ディスプレイは、クリアで鮮明な画像を屋内外問わず表示する。最大輝度が700nits(cd/㎡)の製品が一般的だが、UX10-Exは約1000nitsと明るいため、屋外作業時に強い日差しが当たる環境でも見やすくストレスを感じずに画面操作に集中できる。特に屋外においては、輝度だけではなく太陽光の反射によって画面が白く光って表示が見え難くなってしまうことがあるが、Getacは独自のLumiBond®2.0テクノロジーにより、LCDパネルとタッチスクリーンの間の隙間をシリコンで密着させることで、光の反射面を大幅に低減させている(図1)。操作性においては、雨天時など急な天候変化が生じて画面が雨で濡れてしまっても、タッチ操作が続けられる設計になっている。
(図1)
- 3-4.堅牢性
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UX10-Exは、落下耐性として約1.8mのMIL-STD-810Hに基づいた29項目にも及ぶ試験をクリアした、強靭な筐体で保護されている。だがそれだけではない。実際の運用現場では、狭く急こう配の階段や、手摺を握りながら移動しなければならない高所など、タブレットを片手に持って移動することが危険な状況も多い。そうした現場のニーズに合わせて、保護ケースや落下防止用ショルダーハーネスなどをオプション品として用意し、危険な環境においても作業者が安全にタブレットを持ち運べるように考慮している。また、筐体はIP65保護等級で守られており、防滴・防塵性能も十分である。外部インターフェースの各端子部は、密閉式のキャップで強固に保護されており、作業時の液体や粉塵の侵入から端末を守っている(写真3)。動作温度範囲は-21℃から63℃までの広範囲をサポートしており、冷蔵や冷凍倉庫といった低温環境での活用も想定している。また、大容量バッテリー使用時は約24 時間(JEITA2.0測定による)の連続駆動が可能で、屋外作業や複数の勤務シフトをまたいだ連続使用にも適している。
(写真3)
- 3-5.セキュリティ対策
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防爆エリア内で使用される機器のセキュリティは、爆発の危険性が高まり、デバイスの故障や不正使用が深刻なリスクとなり得ることから、極めて重要である。また、業界を問わず、昨今では「ゼロトラスト」の考え方に基づいた漏洩対策が求められるようになったが、防爆エリアUX10-Exも、最新の強固なセキュリティ機能を実装している。起動時のブートプロセスの段階から認証を設け、端末の盗難などに起因する内部データの不正な抜き取りや復元を防ぐ、専用チップによるTPM2.0機能を搭載している。SSDも強固なAES-256方式の暗号技術でデータ全てを保護している。一般的には強力な暗号化を追加することでシステムパフォーマンスが低下してしまうが、GetacではSSDコントローラと本体のファームウェアの連携により、高速な暗号化を可能にしている。また、Intel®のCPUに対応したvPro™技術を活用することで、遠隔からのコンピュータ監視や診断といったサポート機能を利用可能にしている。
- 4.国内修理体制による安心サポート
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過酷な環境で使い続ける製品だからこそ、万が一故障が発生した際には迅速な対応が求められる。Getac社では本製品に対して3年間の保証期間を標準提供しており、製品品質に自信をもっている。また本製品のサポート体制は、日本国内で修理対応まで行える手厚いサービス体制で提供しており、安心してご利用いただけるよう努めている。日々の利用で消耗しやすいバッテリーや8個のバッテリーを同時に充電できるバッテリーチャージャーなど、周辺アクセサリも充実している。詳しくは弊社Webサイトをご参照いただきたい。
- 5.最後に
今回は防爆に対応したUX10-Exをご紹介したが、Getac社にはその他にも産業用途向けに設計された豊富な製品ラインナップがあるため、特殊な用途・仕様の製品をお探しの際には是非弊社までお問合せいただきたい。弊社では、産業用のコンピュータやネットワーク機器に特化した技術商社として、製品・サービスの提供にとどまらず、製造現場をはじめとする現場の運用課題を解決するための技術情報の提供など幅広い支援を行っている。ぜひお気軽にご相談いただきたい。
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