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信頼性に優れたAGVおよびAS/RS(自動倉庫)のワイヤレス通信を構築するために必要な3つの重要な考慮事項

  • 2021.09.13
見えないものを見える化

自動マテリアルハンドリング機器市場は、近い将来、大きく成長すると予想されています。一方、この傾向は予想されるものでしたが、2つの重要な原動力の結果として最近2020年春から加速しました。つまり、eコマースビジネスの拡大と製造現場に課せられたソーシアルディスタンス対策があります。 近年、オンラインショッピングの需要が急増していることから、eコマースウェアハウスは、注目を集めています。 この需要の急増に伴い、効率的で信頼性の高いAS/RSシステムは、倉庫のロジスティクスシステムを維持させ続けるために不可欠です。

eコマースビジネスの拡大に加えて、ファクトリのオーナーは、ソーシアルディスタンスのガイドラインに合わせるために製造現場の再設計も始めています。現在、無人搬送車(AGV)は、人との接触を減らし、運用効率を高めるために広く導入されています。AGVおよびAS/RSシステムが主流になりつつある現在、マシンOEMとシステムインテグレータは、倉庫やファクトリでのシームレスなオペレーションを実現するための信頼性の高いコネクティビティプラットフォームの構築を模索しています。AGVおよびAS/RSは、常に移動しているため高速で安定したワイヤレスコネクティビティが基本的な要件です。最大な課題としては、これらのシステムに必要な信頼性に優れたワイヤレス通信ネットワークをどのように構築するかにかかっています。

この記事では、堅牢なAGVおよびAS/RSシステムを構築する際にマシンOEMおよびシステムインテグレータが知っておくべき重要な要素のいくつかに焦点を当てます。

重要な考慮事項
1.最適な信頼性を確保するための産業グレードの設計

製造現場では、ワイヤレス伝送を中断させたり、場合によってはワイヤレス通信デバイスに損傷を与えたりする可能性のある予期しない、避けられない電気的干渉が多く存在します。モータサイクルの組立生産ラインを例にとってみましょう。ワークショップ全体で意図しない電位を発生させる可能性のある製造装置は複数存在します。さらに、実際の環境では、ワイヤレスデバイスに悪影響を与える可能性のあるグランドループが存在する場合があります。同様に、製品の流れ生産に使用されるコンベヤーベルトは、ベルトの稼働を駆動するモータおよび駆動装置に依存します。この機器から発生する電磁誘導によって生じるインラッシュカレントもワイヤレス通信に悪影響を与えます。大事なことを言い忘れましたが車両が移動する際に発生するコンスタントな振動がワイヤレスパフォーマンスを妨げる可能性もあるためAGVおよびAS/RS機器にマウントされたワイヤレスデバイスは、振動に耐える必要があります。

ダイアグラム:1.EMIから保護するためのRFと電源の分離

これらの条件を考えると、堅牢な産業グレードのワイヤレスソリューションを選択することが最優先事項です。ワイヤレスクライアントとAPは、RFおよび電源の分離によって強化され、静電気放電による損傷やビークル駆動用モータから発生するインラッシュカレントからデバイスを保護できます。また、動作温度が広く、高いIP保護等級の設計により厳しい環境でもワイヤレスコネクションを安定させることができます。これらの機能強化された産業グレードのデバイスは、勿論、長期の使用に耐える設計がされています。

2.継続的なオペレーションを保証するシームレスなワイヤレスコネクティビティ

多くの倉庫では、AS/RS機器が迅速かつ効率的に商品を移動およびピックアップを行います。これは、ワイヤレスローミングによって可能になります。ローミングテクノロジーによりワイヤレスクライアントは、ワイヤレスコネクションがダウンする前に信号強度が最も強く、最も近いアクセスポイントを常に検索してスイッチすることができます。ビークルは、常に作業フロアを移動しているため、スムーズなローミングトランジションとシームレスなコネクティビティを確保するためにワイヤレス環境を評価することが重要です。

さらに、Wi-Fiカバレッジは、ワイヤレスコネクションの品質に直接影響を与えます。Wi-Fiカバレッジは、ワイヤレスデバイスが近くのAPを識別することでより確実にローミングを決定します。MIMO (multiple-input and multiple-output)機能を備えたワイヤレスデバイスを選定するとワイヤレスリンクの容量をさらに増やしてWi-Fiカバレッジを拡大できます。これによりワイヤレスパフォーマンスが向上し、追加のAPをインストールする必要がなくなります。

最後に、システム インテグレータは、多くの場合、選定したワイヤレスソリューションがPLC とワイヤレスAP/クライアント間の通信をサポートしているかどうかに関心をもっています。ネットワーク通信の要件を決定すると、目的の導入環境に適した WLAN 設定をより適切に特定できます。ガイドラインと業界のベストプラクティスについては、ホワイトペーパーを参照してください。

ワイヤレス通信デバイスを選定するときは、デバイスにミリ秒レベルのローミングテクノロジーを搭載できるかどうかの確認、より柔軟な導入とより広いWi-Fiカバレッジを実現するために外部アンテナの検討、デバイスプロバイダからのコンフィギュレーションガイドに従う必要があります。

ダイアグラム:2.シームレスなワイヤレスコネクションを確保するための
十分なWi-Fiカバレッジとローミングテクノロジー

3.ネットワークセキュリティを強化するためのビルトインセキュリティ機能とマネージメントソフトウェア

今日、ネットワークセキュリティは、ますます重要なトピックになっています。基本的なネットワークマネージメントがネットワーク全体にサイバーセキュリティリスクをもたらす可能性があることを人々は、しばしば無視します。例えば、ワイヤレスクライアントが認証または認証メカニズムのフォームなしでAPに接続できる場合、この種の不当なアクセスは、ネットワーク違反を引き起こし、AGVおよびAS/RSシステムをシャットダウンすることさえあります。コンフィギュレーション後にすべてのワイヤレス通信デバイスをセキュリティで保護し、許可されていないデバイスによるワイヤレスネットワークへのアクセスを拒否するネットワークセキュリティの追加レイヤーの作成を強くお勧めします。

ワイヤレスネットワークのセキュリティをより適切に管理するには、マネージメントソフトウェアを使用してネットワーク環境を可視化し、すべてのノードコネクションのセキュリティをコントロールすることを検討することをお勧めします。

ダイアグラム:3.不正なネットワークノードの接続を防ぐことができるマネージメントソフトウェアを利用する

Moxaのソリューション

Moxaは、世界中のマシンOEMおよびシステムインテグレータのAGVおよびAS/RSシステムの最適な信頼性と効率性を強化をするための支援を行ってきました。MoxaのワイヤレスAWKシリーズAP/ブリッジ/クライアントソリューションは、堅牢な設計とハイパフォーマンスなWi-Fiコネクティビティを組み合わせセキュアで信頼性に優れたワイヤレスコネクティビティを実現することができます。また、MXviewネットワークマネージメントソフトウェアおよびAeroMagテクノロジーは、ユーザがネットワークの構成、管理、メンテナンス、トラブルシューティングを容易に実行することができます。