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産業用ワイヤレスソリューション / 医療

2023/02/16
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Moxa

医療機器のデジタル化を加速 - 電子医療記録と病院情報システム開発への3つのヒント

医療業界のデジタルトランスフォーメーションを促進するために既存のシリアルインターフェースの医療機器とワイヤレスデバイスサーバを利用して信頼性に優れたHIS (病院情報システム) を開発するために必要な3つのヒント

企業のIoT導入は年々増加しています。その中で、医療業界も最新のテクノロジーを使い、デジタル化に向かって急速に進んでいます。人為的ミスによるエラーを減らし、医療現場の効率を高める必要性から、医療分野におけるICTの活用が進む中で未来の医療を支える重要なシステムである医療業界のデジタルトランスフォーメーションとして、電子医療記録 = Electrical Health Records (EHR) の開発を優先するデジタル化の動きが加速しています。

EHRにはあらゆる医療情報が含まれています。既往歴、薬歴、アレルギー、CTやMRI、X線を始めとした検査の画像レポートなども蓄積することができ、また、異なる病院間で情報を連携できる利点があります。これにより、医療スタッフは患者の情報をリアルタイムで簡単に受け取ることができ、より効率的に作業することができます。また、EHRには、患者が他の医療機関で受けた検査のデータなどが紙の形ではなくクラウド上に保管され、データの共有がスムーズになり、病院間や医療機関との情報交換などができ、医療ネットワークを拡充することができます。しかし、日本におけるEHR政策は諸外国に比べて後れを取っています。中小の病院やクリニックでは、いまだ電子カルテですら導入ができていないところや、Wi-Fiを使用していないところが多々ある状態です。そのような現状を踏まえ、今回のCOVID-19が転換期となり、医療業界のデジタルトランスフォーメーションの高まりと共に、EHR実現が急速に高まることが期待されます。

EHRを実現するためには、複数の病室や病棟、検査室などに存在する多くの医療機器から大量のデータを収集する必要があります。 そのため、多くの病院では、これらの分散された医療機器から収集された貴重なデータをEHRで使用できるように変換して、病院の運営のすべての側面を管理するために設計され、包括的で統合された病院情報システム (HIS) を開発する必要があります。しかし、多くの医療機器は、過去数十年間にわたり、RS-232CやRS422/485などの、信頼性が高く費用対効果に優れたオプションであるシリアルインターフェースが使用されています。そして、できればイーサネットインターフェースをサポートしている最新の医療機器にリプレースしたいと考えますが、それには膨大な費用が発生します。

その問題を解決するために、既存の医療機器を継続して使用する中で最新のHISに対応するためには、シリアル - イーサネット変換のテクノロジーの導入を考えることができます。医療機器には、人工透析装置、血糖値、血圧などの監視システムから、医療用カート、診断用モバイルワークステーション、人工呼吸器、麻酔器、心電図検査機、CTやMRI、X線の画像装置など、多岐にわたります。また、HISと医療機器間の通信を実現するには、当然ながら、信頼性の高いデバイスを導入することが要求されます。HISはオンタイムに正確なデータを受信して適格なEHRを実現することが必要とされ、これができない状況では、不正確な診断や治療プロセスの遅延を招き、EHRを開発する目的が失われます。中でも、シリアル - イーサネット変換を実行するシリアルデバイスサーバは、シリアルベースの医療機器とイーサネットベースのHIS間のデータ転送において重要な役割を果たすため、信頼できる製品を選択することは、信頼できる接続を実現にするために重要です。

この記事では、HISを開発するためのコネクティビティソリューションを選択する際に注意すべき3つのヒントと、これらを実現するために必要なソリューションについて説明します。

ヒント1:常に移動している医療機器との接続が難しい

さまざまな患者にサービスを提供するために、医療用カートなどの医療機器は、病室間やナースステーション間を絶えず移動しています。ワイヤレス通信を使用することで、イーサネットケーブルをその都度接続する必要がなく、モバイル医療機器の接続の問題を解決することができます。 例えば、シリアルインターフェースの医療機器にワイヤレスコネクションをサポートするシリアルデバイスサーバを使用すると、モバイル医療機器をワイヤレスネットワーク経由でHISに接続することができます。その便利さがある一方、ワイヤレス通信接続を安定して維持することは容易ではありません。ワイヤレスネットワークを使用する場合は、病院内に適切な数のAPを設置して、医療機器の移動中においても途切れのない、確実で安定した通信接続を維持できるようにする必要があります。 特に、大規模な病院にAPを設置する際は、勘に頼るAPの設置は必要以上の数のAPを増やすだけで、膨大な費用が発生したり、十分なカバレッジを提供できないなどの問題も発生します。

また、医療機器が異なるAP間を移動する場合、切り替え時間を短縮し、切断される可能性を最小限に抑えるために、シリアル-ワイヤレスデバイスサーバはそれらの間で高速ローミングを行う必要があります。また、デバイスサーバが有するポートバッファリング機能は、ワイヤレス通信が切断されたり不安定になるとシリアルデータを保存し、ワイヤレス接続が再開されたときに再送信することができるため、シリアル-ワイヤレス通信にとって最大の強みとなり得る機能です。したがって、医療機器から完全なシリアルデータを収集するHISにとって大きな助けとなり、シリアル-ワイヤレスデバイスサーバを選択する際にはこの機能があるかどうかを確認することが必要です。

ヒント2:患者の機密情報を不正アクセスから保護する

ワイヤレス通信を有効にすると効率が向上しますが、セキュリティ上の懸念も高まります。 病院のシリアルデータには、適切な保護が必要な患者の機密情報が多く含まれています。そのため、シリアル-ワイヤレスデバイスサーバを選択する際は、ワイヤレス伝送中にデータを保護できることを確認する必要があります。 注意すべき機能は、ワイヤレスネットワーク上でシリアルデータを暗号化する安全なワイヤレスコネクションを構築するためのWPA2プロトコルがサポートされていることを確認する必要があります。さらに、シリアル-ワイヤレスデバイスサーバは、ハッキングされる可能性を最小限に抑えるために、許可されたファームウェアのみをデバイスで実行できるようにするセキュアブートをサポートしている必要があります。

ヒント3:通信システムの中断を排除する

医療機器は、システムのダウンタイムに対して許容度が高いといえません。したがって、選択するシリアル-ワイヤレスデバイスサーバは、システムのダウンタイムを最小限に抑えるために十分な信頼性を確保している必要があります。病室間やナースステーション間を移動する医療用カートの絶え間ない衝撃や振動に対して、抜けることのない安定した電力入力を確保するロッキングスクリューのコネクタを提供することが重要な機能です。さらに、シリアルポート、電源入力、LANポートのサージ保護などの機能を備えていることは、信頼性を高め、システムのダウンタイムを削減することができます。

セキュアで信頼性の高いシリアル-ワイヤレスデバイスサーバ

MoxaのNPort W2150A-W4/W2250A-W4シリーズ シリアル-ワイヤレスデバイスサーバは、HISにセキュアで信頼性の高いシリアル-ワイヤレス通信を提供します。これらは、802.11 a/b/g/nデュアルバンドネットワークコネクションを提供し、シリアルベースの医療機器を最新のHISに容易に接続できるようにします。ワイヤレスネットワークを通してのパケット損失を削減するために、Moxaのシリアル-ワイヤレスデバイスサーバは高速ローミング機能をサポートし、異なるワイヤレスAP間で絶えず移動する医療用カートなどのシームレスなコネクティビティを可能にします。さらに、特有のオフラインポートバッファリング機能は、ワイヤレスコネクションが不安定な場合に備え、データを保存するために最大20MBを提供します。患者の機密情報を保護するために、Moxaのシリアル-ワイヤレスデバイスサーバは、セキュアブートとWPA2プロトコルをサポートすることで、デバイスセキュリティとワイヤレス伝送セキュリティの両方を強化します。

Moxaの産業用シリアル-ワイヤレスデバイスサーバは、移動する検査装置や医療用カートの絶え間ない衝撃や振動に対して安定した電力入力を確保するロッキングスクリューによる強化とサージ保護を提供することで、システムダウンタイムの可能性を削減します。

変電所自動化システム

NPort W2150A-W4/W2250A-W4シリーズ シリアル-ワイヤレスデバイスサーバ

NPort W2150A-W4/W2250A-W4シリーズ
  • シリアルおよびイーサネットデバイスをIEEE 802.11a/b/g/nネットワークにリンク
  • 内蔵イーサネットまたはWLANを使用したWebベースのコンフィギュレーション
  • Moxaが承認したファームウェアのみをデバイス上で実行できるセキュアブート
  • HTTPS, SSH によるリモートコンフィギュレーション
  • WEP, WPA, WPA2によるセキュアなデータアクセス
  • アクセスポイント間の迅速な自動切り換えを実現できる高速ローミング
  • オフラインポートバッファリングとシリアルデータログ
  • シリアル, LAN, 電源に対する強化されたサージ保護
  • デュアル電源入力 (スクリュータイプ電源ジャック×1、ターミナルブロック×1)
  • 製品の寿命と品質を保証する5年間の保証

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Moxaは、既存のシリアルデバイスをネットワーキングの未来に容易に導くシリアルコネクティビティソリューションを引き続き提供していきます。新しいテクノロジーの開発、さまざまなOSドライバのサポート、サイバーセキュリティ機能の強化をさらに続け、2030年以降もシリアルコネクティビティを提供できるよう取り組んでいます。詳細は、下記の技術情報をご覧ください。

技術情報:既存のシリアルデバイスを将来のネットワーキングに導く