技術情報
産業用ネットワークソリューション / 産業用エッジコネクティビティ / 製造業
Industry 4.0革命の始まり-全体的な機器の有効性を高め、生産効率を押し上げる
OEE:Industry 4.0の至適基準
Industry 4.0の登場以来、生産ラインでは数多くの課題が累積しています。これらの課題には、大量生産または少量生産、カスタマイズ製品需要の増大、ゼロエラー生産、混在モデルの生産ラインなどがあります。その結果、これらの課題は、新しい技術やコンセプトが導入されることによりファクトリ内で多くの変化が始まりました。
Industry 4.0の時代では、最適生産が最も重要であるため、製造業における主要業績指数(KPI)として総合設備効率(OEE)が浮上しています。OEEは、実際に生産した製造時間の割合のベンチマークを現します。OEEの得点が100%であれば、停止時間なしで、できるだけ早く良品のみを製造したことがわかります。OEEのKPI計算式には、可用性(スケジュール上の稼動予定時間のうち実際に設備が稼動している時間の割合)、パフォーマンス(生産設備の設計上の製造速度に対する実際の製造速度の比率)、および、品質(全生産数に対する良品数の割合)の、3つの要素が組み込まれています。
OEEの測定によりプロダクションプロセス全体の中の異なる役割に対する利点を提供
OEEの測定によりプロダクションプロセス全体の中の異なる役割に対する利点を提供
OEEを強化するための鍵
- マシンのダウンタイム削減
-
製造段階において、マシンの振動、モータ電流、冷却水レベルといった、さまざまな種類のデータが生成されます。このデータに基づいて、マシンのメンテナンス担当エンジニアは、予期せぬマシンのダウンタイムを避けるためにメンテナンスタスク(予知保全)の定期点検を立案します。しかしながら、データは異なるフォームで現れます。1つはストリーミングデータが大量に送信され、バックエンドシステムに送信される前に前処理を必要とします。もう1つはステータスデータです。これは少量で、前処理なしで透過的に送信されます。従って、システムは、ステータスおよびストリーミングデータの両方を収集するために異なる方法を使用する必要があります。ステータスデータの場合、透過データ収集を使用することが最善の方法です。ストリーミングデータの場合、フロントエンドデータプロセッシングを使用してデータを縮小し、バックエンドシステムに重要な情報を提供することが最善の方法です。これは、すべての生データをバックエンドシステムに転送するにはあまりにも多くのストリーミングデータが存在するため、縮小を必要とします。
フロントエンドデータプロセッシング 透過データ収集 データフォーマット 複雑 シンプル ローカルレスポンス Yes No データサイズ 大 小 標準プロトコル Depends Yes
- 信頼性の高いネットワークインフラストラクチャの構築
-
多くのPLCネットワークは、マルチキャスト伝送のためにIGMP(Internet Group Management Protocol)に依存しています。例えば、通常、PLCとデバイスを接続するシステムの可用性を確認するために使用される暗黙の通信は、マルチキャストに基づいています。
MoxaのTurbo Ringソリューションと共にネットワーク上で障害が発生したときに、物理ネットワーク、ユニキャストトラフィック、およびマルチキャストトラフィックをミリ秒以内に復旧を可能にする、Moxaの先駆的な技術であるV-ONを提供します。V-ON技術によりシステムの稼働が維持され、生産性を最大化します。
- システムダウンタイムを低減するリアルタイム通知
-
さらに、Moxaの先駆的な産業用ネットワークマネジメント・モバイルアプリケーションのMXview ToGoは、システムのダウンタイムを低減するためのリアルタイム通知を提供します。ネットワーク状態に関するリアルタイムの通知を送信し、詳細な情報を直ちに確認できる機能を提供すると共に、現場のエンジニアが使いやすいデバイス検索機能を提供して、ネットワーク内の正しいデバイスを見つける手助けをします。
- リアルタイム通知
- ネットワーク状態チェック
- デバイスマッピングが容易
- 信頼性の高いオンチップフロー制御データ伝送を使用して生産性を向上
-
高度なカスタマイズはIndustry 4.0の重要な価値であり、コンピュータ数値制御(CNC)マシンのプログラミングの定期的な変更を促します。しかしながらCNCのバッファは限られ、プログラムが比較的大きいため、CNCマシンは新しいプログラムをダウンロードする際には多大な時間を費やします。従って、データ転送の安定性は、特にシリアルインターフェースを備えた旧式マシンでは非常に重要です。フロー制御機能を備えたシリアル・ツー・イーサネットデバイスサーバは、通常、データのドロップを防止するために着信データを停止させるのに使用します。それ以外の場合は、ドロップされたデータを再送信する必要があります。データ転送に多くの時間を費やすことは、製造時間の短縮に繋がることを意味します。
Moxaのオンチップフロー制御機能により、Moxaのデバイスサーバ(NPort)は、UARTから直接停止(Xoff)の処理ができます。これによりプログラムが変更された際にデータが失われることはありません。
- インテリジェント監視が混在モデル生産のさまざまな要求を満たす
-
混在モデルの製造には、カスタマーが指定したコンポーネントと複数タイプの製品を同一の組立ラインで製造するために、さまざまな異なるオプションと組み合わせを含む高度なバリエーションが伴います。マシンとオペレータの生産性を高めるために、MoxaのioPAC 8500プログラマブルコントローラが製造タスクを分類し、MES(Manufacturing Execution System)からタスクシーケンスを自動的に取得できるようにします。例えば、ツールはRFIDタグで識別され、ioPACはシステムから生産方法を取得し、Modbusといった産業用プロトコルを介して関連するすべてのマシンに通知します。製造情報は、ITプロトコルを介してMESに送り返されます。
- 不良品の検出と早期警報の送信
-
CNCマシンのアプリケーションにとって、測定とキャリブレーションは極めて重要です。生産データは、状況を理解するために役立つ鍵となります。データは、ステーブルデータ(on/offステータスとデータ量が少ないデータ)と一時的データ(短期間に発生し、また、いかなるものも欠落することなく記録する必要がある)の2種類に適用されます。一時的データの発生は、製造品質に影響を与えます。従って、データを正確に収集することが重要です。
Moxaは、厳しい環境下で正確なデータを収集することができる堅牢設計のIIoTデータゲートウェイを提供しています。そのため、現場でのすべてのデバイスのステータスに関する最新の状態を維持できます。さらに、ioPACは、オープンプラットフォームを使用し、カスタマーは、生データから予知メンテナンスのために必要な価値ある情報の取得、および、IIoTゲートウェイとバックエンドサーバ間のトラフィックを節減するデータプロセッシングを行うプログラムを実装することができます。ioPACは、Azureクラウド対応のコネクティビティを提供します。カスタマーは、Azureクラウドにデータをプッシュ、そして、サードパーティのソフトウェアを活用してデータマイニングまたはデータ分析を行うことができます。
ハイライト製品
ワイヤレスシリアルデバイスサーバ+I/O NPort IAW5000A-6I/Oシリーズ
-
- シリアルまたはイーサネットデバイスをIEEE 802.11a/b g/nネットワークにリンク
- 冗長デュアルDC電源入力およびリレイ出力サポート
- WEP/WPA/WPA2によるセキュアなデータアクセス
- MicroSDによる設定バックアップ
- 柔軟なインテグレーションを実現するワイヤレスクライアント機能
- 4 kVシリアルサージ保護
- シリアルデバイスサーバに加えて4DIおよび2DOサポート
IIoTスマートI/Oデータゲートウェイ ioPAC 8500シリーズ
-
- メインシステムと各I/Oモジュールのための専用ARM(RISC) CPU
- デジタル入力とアナログ入力のためのミリ秒タイムスタンプ精度サポート
- アナログ入力用5kHz サンプリングレートサポート
- アナログ入力データロギングの事前レコーディング
- C/C++またはIEC61131-3 プログラミング言語サポート
- 多様性、柔軟性およびスケーラビリティを備えたモジュラI/O
V-ON™:ノンストップPLCアプリケーションを維持するネットワークの最適化
-
- ユニキャストおよびマルチキャストシナリオのためのL2ビデオストリーミングリカバリ < 50ミリ秒(*)
- ユニキャストおよびマルチキャストルーティングシナリオのためのL3ビデオストリーミングリカバリ < 300ミリ秒(*)
- ミリ秒レベルルータ冗長性
- 障害モードサポート:電源ダウン/アップ、パスリンクダウン/アップ
(*)1G/10Gファイバリンクで利用可能
スマートファクトリにおける相互運用性の問題を解消 ホワイトペーパー
-
Industrial Internet of Things(IIoT)と費用対効果に優れたノンストップ運用に関する約束は、経営幹部の間では日和見的なトーンに感じますが、ネットワーク内の異なるプラットフォームが互いにどのように通信できるかを把握して現実に考えだすのがシステム事業者(SI)の役目です。しかし、SIの世界を混乱させるものは、ネットワークアーキテクチャの3つの異なる分野におけるプロトコルの混在にあります。即ち、運用テクノロジー(OT)、インフォメーションテクノロジー(IT)および産業用Industrial Internet of Things(IIoT)の各分野は、相互運用性のない自己中心的で孤立しているサイロを効果的に創生する独自のプロトコルを抱えているため、企業レベルで重要な意思決定を行う必要のある人に有用なデータを提供できず、SIは困り果ててしまいます。OT部門とIT部門の両方がお互いの分野で使用されているプロトコルに慣れていないという事実関係により、問題をさらに複雑化します。この傾向は、IIoTが自動化に移行するにつれてOTとITが収束されるため迅速に対処する必要があります。
しかし、グッドニュースがあります。さまざまなプロトコル変換を通してこれらの相互運用性の問題をブリッジするソリューションが利用することができます。このホワイトペーパーでは、SIがOT-to-OT、OT-to-IT、およびOT-IIoTへの相互運用性に直面する課題および収束ネットワーク全体でのノンストップのコネクティビティを確保するためのソリューションについて詳しく見ていきます。