技術情報

産業用Wi-Fiネットワーク展開の課題を解決する重要な4つのテクニック

Wi-Fiネットワークの計画と展開は、多くのユーザや工事施工者にとっては難しいタスクの1つです。ネットワークエンジニアは、ネットワーク機器の慎重な選定、サイト計画、機器の導入、最適なネットワークパラメータの設定、ネットワークパラメータを継続的に調整して最高のパフォーマンスを実現する必要があります。特に、産業用ネットワークへのシームレスなコネクティビティを必要とするデバイスの急激な成長により、ITの専門家が課題に対して日常的に取り組んでいます。この記事では、産業用オペレーションに必要とする通信のニーズを満たす産業用Wi-Fiネットワークの計画と展開に使用できる4つのテクニックについて説明します。

1. ネットワークを計画する前にサイトサーベイの実施：

サイトを詳細に理解するために、調査には十分に時間をかけて実施する必要があります。従来の勘に頼らず、Ekahauのサイトサーベイ ESS-PRO ESSソフトウェアは、IEEE802.11a/b/g/n/acのアクセスポイント(AP)や無線LANネットワーク内への新規APの設置、既存の無線LANネットワークの電波分布を調査するための専門的なツールです。2.4GHz帯や5.2GHz帯は、光と同じように電波の反射があります。そして、壁、マシンやパーテーションなどの障害物がある場合は、そこで電波が弱まることや、通信ができない死角が生じてしまい、運用した時に初めて気付き、現場や客先からクレームが付くことがあります。また、隣のオフィスにまで電波が届いていることに気づかず、貴重な社内データの盗聴が行われていることも考えられます。さらに、同じチャネルを多くのユーザが共用することで、パフォーマンスの低下や、Wi-Fi以外の電波の干渉といった問題に対する解決に、従来の高価なスペアナ(スペクトル・アナライザ)の使用や勘や経験に頼らなくても、ESSを使用することで、誰でも簡単かつスピーディーに、最適なアクセスポイントの設置を行うことができます。

最適な無線LAN環境を構築するために必要な「Ekahau サイトサーベイ」についての詳細と、Wi-Fiサイトサーベイでは初のカスタムビルド仕様となるオール・イン・ワンWi-Fi診断/測定デバイス「Ekahau Sidekick™」については、こちらをご覧ください：

最適な無線LAN環境を構築するために必要な、Ekahau サイトサーベイ

オール・イン・ワンWi-Fi診断/測定デバイス Ekahau Sidekick™

ESS-PRO使用イメージ

2. ネットワーク設計と展開計画の作成：

実際のサイトサーベイで収集した情報を使用して、ネットワークのカバレッジとキャパシティ、APの数と種類などを含むネットワーク設計と開発計画を作成します。Ekahauのサイトサーベイ ESS-PRO ESSソフトウェアを使えば、Reporting機能により、美しく仕上がった報告書を、時間をかけずに作成できます。ESSは報告書作成機能が充実しており、表やスクリーンショットを盛り込んだ報告書が短時間に作成できます。報告書テンプレートをカスタマイズすれば、定型的な報告書に特徴などを盛り込んだ報告書が簡単に作成できます。ネットワークを実装する前に、細心の注意を払って計画を立てることは、膨大なコストと時間を低減します。

3. ネットワーク計画に従って機器の展開と構成：

作成したネットワーク設計および展開計画を使用して、ネットワーク機器を展開し、死角となるブラインドスポットを避けるために十分なオーバーラップを有するカバレッジの実現するWi-Fiネットワークを構築します。また、柱、棚、パーテーション、マシン、産業機器などによってAP信号が遮られていないことは、ESS-PRO ESSソフトウェアによるサイトサーベイで既に確認されています。さらに、AGVなどのモバイル機器または可動パーツに設置されたクライアントが、AP間との中断のないコネクティビティを確保するために、確実なローミングとダウンタイムを最小限に抑えてAP間を切り替えることを確認することが必要です。

4. ネットワークの監視と調整：

Wi-Fiネットワークでは、必要なパフォーマンスを得るためにコンスタントな監視と調整が必要です。さらに、同じエリアのスペースやサブシステムで動作するネットワークに接続される新しいシステムは、ネットワークをスローダウンさせる可能性があります。ネットワークのWi-Fi干渉は、生産ラインの増設や新しいフィールドロケーションをサポートするために産業用ネットワークを拡張すると、一定期間にわたって劇的に増加します。そのためには、Wi-Fiデバイスを既存のトポロジに追加して構成するか、シームレスな接続を提供するために新しいサブネットワークを展開する必要があります。

Wi-Fiデバイス設定を自動化するソリューションの活用

Wi-Fi Allianceが策定したWi-Fi LANを簡単に設定する方法である Wi-Fi Protected Setup(WPS)や Auto Channel機能などの自動Wi-Fiデバイスコンフィギュレーション技術のツールを使用することにより、大幅に展開時間と労力を低減できます。Wi-Fiデバイスセッティングコンフィギュレーションを自動化することで、手動で大量のデバイスをコンフィギュレーションする際の人的ミスをなくすことができます。しかしながら、デバイスの自動コンフィギュレーションやアクセス権の行使を監視するプロビジョニングの作業進行中、デバイスとWi-Fiネットワークの安全を保護することが重要な問題になります。

Moxa独自のAeroMag技術：容易にWi-Fi導入を実現するワイヤレス技術

Wi-Fiネットワークを構築することは決して容易でなく、複雑で面倒なタスクといえます。MoxaのAeroMag技術は、デバイスの基本的なWi-Fi設定を容易にすることで、Wi-Fiネットワークを展開する際の労力を大幅に削減します。AeroMagは、Wi-Fiネットワークのライフサイクル全体に役立つツールです。 ネットワークデバイスを設定する場合、AeroMagは、Wi-Fiコネクションをシングルステップで正しくセットアップします。インストールフェーズ中に、AeroMagは、最適なチャネルが使用できるように現在のオペレーション環境を解析することでネットワーク運用を合理化します。メンテナンスの観点からは、追加のコンフィギュレーションを行うことなく、新しいAP/クライアントをAeroMagトポロジに追加できます。認可されていないデバイスをネットワークに接続するのを防ぐために、AeroMagは、ネットワークトポロジをロックするために使用することができるロックダウン機能を提供します。AeroMag技術は、すべてのデバイスをシングルステップで設定し、クリックするだけで環境に最適なWi-Fiチャンネルを見つけ、生産ラインの拡張などに伴うWi-Fiカバレッジの拡張といった新しいWi-Fiデバイスをネットワークに追加する際の追加のコンフィギュレーションを不要にします。

ホワイトペーパー：エラーフリーのWi-Fiネットワークライフサイクルを実現するためのガイド

■ AeroMag技術を使い容易にWi-Fiを導入する方法

MoxaのAeroMag技術は、基本的なWi-Fiセッティングに対応することで、ワイヤレスネットワーク導入の際の作業を大幅に削減します。AeroMagはWi-Fiネットワークのライフサイクル全体を通して役立つツールです。ネットワークデバイスを設定する際、AeroMagは、Wi-Fi接続をシングルステップで正しくセットアップすることができます。インストールの段階で、AeroMagは、現在のオペレーティング環境に最適なチャネルを分析することで、ネットワークオペレーションを合理化できます。メンテナンスの観点から、新しいAP/クライアントは、追加の設定を必要とせずにAeroMagトポロジに加えることができます。

詳細は「ホワイトペーパー」をダウンロードしてご覧ください。

カタログ：AeroMag技術によってWi-Fiネットワーク導入とメンテナンスを迅速かつ容易に実現

■ Wi-Fiネットワークのライフサイクルをプロのように難なく成功させる方法

運転効率を向上させるため、AMH(自動マテリアルハンドリング)システムは、世界中の工場や倉庫に幅広く採用されています。AGVやAS/RS(自動倉庫)などのAMHシステムは、高い移動度のWi-Fiデバイスと組み合せ、AMHシステム内のモバイル機器や可動部品の円滑な動作を保証します。しかし、AMHシステムのためにワイヤレスネットワークを導入し維持することは簡単ではありません。MoxaのWi-Fiソリューションである「AeroMag技術」を使うことで、ネットワークの導入とメンテナンスの際の基本的なデバイスの設定に費やす時間と作業を削減でき、ネットワークセキュリティを犠牲にすることなく実行可能です。MoxaのAeroMag技術によるWi-Fi対応の工場でのネットワークのライフサイクルマネージメントタスクを迅速に実行させる方法を紹介します。

詳細は「カタログ」をダウンロードしてご覧ください。