技術情報
産業用ネットワークソリューション / 電力・変電所 / 石油・ガス
PRP/HSR接続性の鍵
PRP/HSR冗長性の必要性と懸念
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ミリ秒レベルが問題視されるアプリケーションにおいて、ネットワークは、ネットワークに障害が発生した際に、いかなる場合でもわずかなダウンタイムも許容することができません。IEC 62439-3規格にて瞬時回復を実施する標準を定義している一方、ユーザは、デバイスの複雑性、それに要するコストおよびネットワーク上のトラフィック負荷の増大を懸念しています。
新しいPRP/HSRスイッチ
MoxaのPT-7728-PTP PRP/HSRスイッチは、IEC 62439-3規格で定められた PRP(Parallel Redundancy Protocol) および HSR(High-availability Seamless Redundancy) プロトコルに従って、より高いネットワークの可用性を実行するためのパケット損失ゼロと瞬時回復を実現する目的で設計されています。
PT-7728-PTPは、ミッションクリティカルなアプリケーションにおいて、最高のネットワークの可用性を保証するとともに、新規および改修アプリケーションの両方に必要な柔軟性のあるハイブリッド接続性オプションを使って、レガシーデバイスとPRP/HSRネットワークをブリッジします。
レガシー移行のためのRSTPグルーピング
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単一パス障害時の瞬時フェイルオーバの実装に加え、PT-7728-PTPのRSTPグルーピング技術(特許出願中)により、正常に多くのRSTPデバイスをHSRネットワークに接続します。
RSTPグルーピングを使用することで、PT-7728-PTPは、一般的なRSTPリングにおいて可能な最大40ホップよりもはるかに多い1000以上のRSTPデバイスをHSRネットワークに移行することができます。
HSRおよびRSTPトポロジのハイブリッド機能は、ネットワークのパフォーマンスと信頼性を向上させるためにレガシーのRSTPベースネットワークへPRP/HSRセグメントを追加することが要求される変電所に非常に有効です。
レガシーからハイブリッドへのネットワーク展開
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- レガシーデバイスの接続を可能にします
標準PRP、HSR および RSTPプロトコル間の相互運用性を活用することにより、PT-7728-PTPは、多くのレガシーRSTPデバイス および SAN(single attached nodes=単一接続されたノード)を、PRP/HSRネットワークに接続することが可能となり、また、レガシーデバイスの使用寿命を延長することができます。
- 高いネットワークの可用性
PT-7728-PTPは、RSTP および HSRリングの複数のカップリングを通してレガシーデバイスおよびインフラストラクチャに対して優れた価値を加えるだけでなく、スピードが重要視されるアプリケーション向けのIEC 61853-3規格で定義されているネットワークの可用性を向上させます。
- 証明された相互運用性
PT-7728-PTPスイッチは、UCAIugが実施した 2015 PRP/HSR 相互運用性テスト(PDF/英語) で、冗長性および相互運用性機能が実証されました。PT-7728-PTP および Moxaの PT-G503 RedBoxだけが、このテスト内で、PRP/HSR および RSTPネットワークセグメント間のデュアル接続を提供するデバイスでした。
アプリケーション
スケーラブルなマイグレーション(移行) のために必要なハイブリッド冗長性
IEC 61850規格に準拠するPT-7728-PTPは、新規/既存の両方のネットワークインフラストラクチャが、時間に敏感なミッションクリティカルアプリケーションに必要とする、最も高い通信の可用性を実現することを目標としています。PT-7728-PTPは、個々のRSTPデバイスとグループが、カッパー、光ファイバ、または2つの混在を通してPRP/HSR冗長性ネットワークに接続することを可能にする24+4Gモジュラ接続を提供します。
PRP冗長性
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- PRPのシナリオ
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- DANP(dual attached node for PRP = PRP用のデュアル接続されたノード)は、パケットを発行・複製した後、2つの独立したLANを介して重複したパケットを転送することができます。
- DANPの宛先は、1つのコピーを受け取り、2番目のコピーは破棄します。
- RedBox(冗長ボックス)を通して、SAN(単一接続されたノード)は、このPRPマルチパス伝送に追加することができます。
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- PT-7728-PTPの PRP冗長性
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- スイッチは、PRP冗長性を実行するためにPRP/HSRモジュールを組込んでいます。
- 24+4Gポートスイッチングを通して、PT-7728-PTPは、追加コストを必要とせずPRPの範囲を拡張するために多くのSANをパラレルネットワークに接続することができます。
- PT-7728-PHPは、マルチパス同時伝送を活用して1つのパスが故障したときゼロ時間フェイルオーバーを実行します。
HSR冗長性
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- HSRのシナリオ
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- HSRは、双方向通信を実行するためにリングトポロジーに依存します。
- SANは、SANのパケットを複製して、複製したパケットを両方向で送信し、最後に受信したパケットを破棄するRedBoxとリンクすることにより、HSRを結合することが可能となります。
- DANH (HSR用のDAN = Data Aware Networking)は、DANPと同じように冗長パケットのパブリッシュおよび受信のどちらかが可能です。
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- PT-7728-PTPの HSR冗長性
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- スイッチは、HSRを実行するためにPRP/HSRモジュールを使用します。
- PT-7728-PTPは、HSR機能を活用してゼロ時間冗長性およびゼロパケット損失を実行するためにデュアルパスフェールオーバーを実現します。
- 24+4Gスイッチは、HSRのマイグレーションのために多くのSANを接続することができるので、既存のレガシーデバイスの製品寿命を延長します。
RSTP - HSRカップリング
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- RSTP - HSRカップリング
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- 多くの変電所は、信頼性を改善するために、既存のRSTPネットワークにPRP/HSRセグメントを追加することを必要とします。
- シングルのRedBoxは、HSR/PRPをRSTPにカップリングするために使用することができますが、シングルリンクの故障が起こりうる可能性があるためリスキーです。
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- PT-7728-PTPのRSTPグルーピング
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- PT-7728-PRPは、ブロードキャストストームを阻止する独自のメカニズムを使用するとともに、HSRとRSTPセグメント間の冗長的な相互接続を可能にします。
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- 一方、HSRとRSTPの冗長カップリングは、ブロードキャストストームのためにネットワーク障害を結果として生じる可能性があります。
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- PT-7728-PTPは、RSTPとHSRリング間で複数の相互接続を可能にします。そして、容易にHSR冗長性にRSTPノードのグループのマイグレーションを実現します。
フレキシブルな統合のためのハイブリッドPRP/HSR
PT-7728-PTPは、1つのデバイスに複数の冗長性プロトコルを統合した世界最初のモジュララックマウントスイッチです。PRP/HSR、RSTPグルーピング、RSTP、またはTurbo Ring および Turbo Chainを含むマルチプロトコル相互運用性は、ネットワークの柔軟な展開および統合を容易にします。
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- デバイスレベル上にデバイスを統合
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- 複数のSANを PRP/HSRネットワークに統合
- 3つのコネクションモード:
■ PRP
■ HSR
■ カップリング
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- レガシーRSTPアーキテクチャの統合
- MoxaのPRP/HSRスイッチは、2つの異なるノードを使い、デュアルホーミングを経由してRSTPリングをHSRリングに接続することができます。
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- スケーラブルなIEDの統合
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- RedBox、PRP/HSRスイッチおよび組込モジュールを組合せたネットワークは、スケーラブルなHSRリングを可能に
- 調整可能なリスク・ベネフィット比(危険度-有益性比率)により、HSRの拡張が可能
- SANノードにEOM-G103を組み込むことによりSANをPRP/HSR DANに変えることが可能
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- 複数のPRPネットワークを1つのHSRリングに接続
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- フィールドデバイスからコントロールルームまでの完全なバーティカルな統合
- PRPネットワークは、保護リレイをGPSマスタクロックといったフィールドデバイスに接続
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- 複数のHSRリングを1つのPRPネットワークに接続
- PRPを経由して多くのHSRリングを追加します。