導入事例
製造業
倉庫における将来を見据えた6GHz Wi-Fiネットワークの設計
カテゴリー | 製造業 ※大手美容ブランド(ロレアル) |
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アプリケーション | 工場での6GHz Wi-Fiネットワークの設計・構築(Ekahau) |
背景
製造工場、倉庫、配送センターは、高性能Wi-Fiを設計・導入する上で最も困難な環境のひとつです。ロレアルの100万平方フィート超えの倉庫のようなオペレーションセンターでは、長さ100メートルを超える広大な通路、高さ13メートルの天井、液体製品で高く積み上げられた金属製の棚などが置かれた環境下にありながら、Wi-Fiのダウンタイム、デッドゾーン、ローミングの問題は生産性に深刻な影響を及ぼすため、非常に信頼性の高い接続が求められました。
そこでロレアルは、現在の無線ネットワークを最適化し、Wi-Fi 接続がますますミッションクリティカルになる将来を見据え、新しい6GHzネットワーク設計を計画するようEkahauに依頼しました。
- ロレアル社について
- ロレアル社は、メイベリン、イヴ・サンローラン、ガルニエ、ランコム、ラ・ロッシュ・ポゼ、ロレアルパリなど、500以上の象徴的な美容ブランドを展開する世界最大の美容ブランドです。ロレアルの施設は世界中に39の工場と150の配送センターを構え、年間70億点以上の製品の販売を促進しています。 ロレアル社のネットワークインフラのプロジェクトマネージャー兼ネットワークアーキテクトを務めるKnut Scheller氏とHenning Sparre氏は、ヨーロッパの倉庫、工場、配送センターにわたるワイヤレスネットワークの展開と管理を成功させる責任を担っていました。
要件
- 次世代AR/VRイニシアチブをサポートするための完全な将来性
- 完全な6GHz対応
- 施設全体の優れたWi-Fiカバレッジ(階段の吹き抜けを含む)
- フォークリフトによる在庫ピッキングのためのシームレスなローミング
- AP故障時のRF冗長性
導入効果
- 世界中のすべての倉庫施設に展開可能な、将来の接続ニーズを満たすために最適化されたハイパフォーマンス Wi-Fi 6E ネットワークデザイン
- EkahauとMeraki Dashboardのコラボレーションによる定期メンテナンスとトラブルシューティングにかかる時間と労力の削減
6GHz Wi-Fiネットワーク実現までのステップ
① Ekahau Sidekick 2を使ったパッシブサーベイの実施
まず、Ekahau Sidekick 2 を使って現場を歩き、プライマリおよびセカンダリ・カバレッジ、壁の減衰、干渉源など、倉庫内の既存の RF 条件を把握しました。また、天井の高さやケーブルの引き回しなど、APを設置する際の潜在的な制限を特定し、それらをEkahau Surveyアプリの機能を使って写真に撮ることで、今後の参考資料としました。
- ポイント
- Sidekick 2は、非常にパワフルであるだけでなく、非常に使いやすく、誰でもスマートフォンやタブレットを使ってサーベイを行うことができます。ロレアルのエンジニアは、わずか数分のトレーニングでAPの位置情報と設定データを効率的に収集することができました。
“Sidekickでのデータ収集は本当に簡単でした! タブレットの地図上で自分の位置をクリックして位置を調整し、それから建物の周りを歩いただけです。使うのは初めてなのに、正確な調査データを収集することができました。”
Daan Piek氏(ロレアル社 テクニカルサポートエンジニア)
② 既存のWi-Fiパフォーマンス問題の可視化・特定と最適化
Sidekick 2を使ったサイトサーベイでは、既存のWi-Fiネットワークのパフォーマンス問題が見事に可視化され、彼らが使用していたMeraki Dashboard*に数秒で設定の最適化を展開しました。また、サーベイで収集された測定データをEkahau Optimizerで実行することで、問題の自動解析と特定が行われ、独自のネットワークに対してパーソナライズされた最適化により、各アクセスポイントの個別の設定に至るまで、Wi-Fiネットワークの接続性を改善し、ローミングを強化することができました。
③ ワンクリックでプロビジョニング
Meraki Dashboard は重要なネットワークパフォーマンスのインサイトを提供しますが、アクセスポイントの手動プロビジョニングに依存しており、ロレアルのような大規模なサイトでは、正確なプロビジョニングには数日から数時間を要し、人為的なミスの可能性もありました。ロレアルの配送センターの安全システムは、ダッシュボードに反映される正確なAP配置に依存しており、問題が発生した際にその場所を迅速に特定するために、最新の AP 配置情報も必要としていました。
Ekahau はゼロタッチダッシュボードプロビジョニングでこの問題を解決します。Sidekick 2 で収集したデータからAP の位置データを取得し、ワンクリックで Meraki ネットワークマップが検証された測定データに基づいて即座にプロビジョニングされました。正確にプロビジョニングされたネットワークはロケーションベースの洞察を引き出すだけでなく、毎日、毎週、定期的に発生するネットワークのメンテナンスと継続的なトラブルシューティングの時間を大幅に削減することが可能です。
④ 将来を見据えた6GHz Wi-Fiネットワークの設計
サーベイ結果を踏まえて6 GHz スペクトルを活用した将来性のあるネットワークにアップグレードするうえで、Ekahau AI Proの予測モデリングは、最適なネットワークを計画し、導入チームのために部品表と設置手順を含むカスタムレポートを作成する上で極めて重要な役割を果たしました。
- Meraki Dashboard:Ciscoが提供する無線LANアクセスポイントから、スイッチ、セキュリティアプライアンス、セキュリティカメラ、セルラーゲートウェイ、端末管理までを一元管理する、クラウドネットワークプラットフォームCisco Merakiのウェブベースのダッシュボード
まとめ
最先端の倉庫内Wi-Fiネットワークを構築するロレアルとEkahauの取り組みは、革新的なテクノロジーと戦略的パートナーシップの力を示すものです。Ekahauの先進的なツールを採用することで、ロレアル社は既存のワイヤレスネットワークを最適化しただけでなく、世界中の39の工場と150の配送センター全体に展開できる、将来にわたって有効な6GHzのWi-Fiインフラストラクチャの青写真を手に入れました。
このプロジェクトの成功は、現代の倉庫業務における信頼性と効率性の高いワイヤレス接続の重要な役割を強調しています。ロレアルの積極的なアプローチは、Ekahauの専門知識に導かれ、今日の要求を満たすだけでなく、明日のイノベーションにも対応できるシームレスで高性能なネットワークを実現しました。
“私たちは、すべての倉庫をWi-Fiのみの接続に移行し、将来を見据えてWi-Fiネットワークを再設計するこのプロジェクトで、Ekahauとパートナーシップを組む素晴らしい機会を得ました。結果には非常に満足しています。”
Knut Scheller氏(ロレアル社 プロジェクトマネージャー兼ネットワークアーキテクト)